止まらない食材価格高騰を「調理済み食材」で乗り越える!コスト削減と質を両立する新常識
2025.06.24
日々のニュースで報じられる食材価格の高騰に、今まさに頭を悩ませていらっしゃるの老人ホームの経営者様が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
介護報酬が原則として固定されているなか、原材料費の上昇は施設の利益を直接圧迫します。
かといって、入居者様の健康と日々の楽しみに直結する食事の質を落とすことは、絶対にできない。
この逃れようのないジレンマに、多くの施設が苦しんでいるのが現実です。
「献立の工夫や仕入れ先の見直しも、もう限界だ…」
「人件費や光熱費も上がる一方で、打つ手がない…」
このような八方塞がりの状況を打開し、食費全体のコストを削減しながら、むしろ食事の質を向上させる方法があるとしたら、いかがでしょうか。
その強力な解決策こそが「調理済み食材」の戦略的な活用です。
この記事では、調理済み食材がなぜ「食材価格高騰時代の救世主」となり得るのか、その理由をコスト削減の具体的なメカニズムを中心に解説します。
従来のコスト削減策の限界を感じているすべての介護施設関係者様にとって、経営改善の大きなヒントとなるはずです。
逃れられない現実。食材価格高騰が介護施設の経営を揺るがす
まずは、私たちが直面している厳しい現実を直視することから始めましょう。
近年、野菜、肉、魚、卵、食用油、調味料に至るまで、あらゆる食材の価格がかつてないレベルで高騰しています。この背景には
- 世界的な異常気象による不作
- 国際情勢の不安定化による輸送コストの上昇
- 歴史的な円安による輸入コストの増大
など、複数の要因が複雑に絡み合っており、この流れは今後も当面続くと予測されています。
このような状況は、一般家庭はもちろん、毎日大量の食事を提供する老人ホームにとって、より深刻な問題です。
介護施設特有の「三重苦」
これまで多くの老人ホームが、「特売品を探し回る」「安価な代替食材で献立を工夫する」といった涙ぐましい努力でコスト削減に努めてきました。
しかし、もはや個々の施設の努力だけでは、この歴史的な価格高騰の波を乗り越えるのは困難な状況です。
老人ホームならではの特徴がさらに食材価格の高騰を苦しめていると言えます。
収入が固定されている
介護報酬は国によって定められており、食材が値上がりしたからといって、利用者負担額を簡単に引き上げることはできません。
つまり、コスト増はそのまま利益の減少に繋がります。
品質を落とせない
食事は、入居者様の健康維持、そしてQOL(生活の質)の根幹をなすものです。
コストを理由に品数を減らしたり、質の低い食材を使ったりすることは、入居者様の満足度低下や健康阻害に直結し、施設の評判を大きく損なうリスクがあります。
価格交渉力が弱い
特に小~中規模の施設では、大手のスーパーやチェーン店のようなスケールメリットを活かせず、仕入れ価格の高騰をダイレクトに受けやすいという側面もあります。
調理済み食材がコスト削減の切り札になる5つの理由
こうした絶望的な状況を打開する鍵、それが「調理済み食材」です。
調理済み食材とは、HACCP等の衛生管理基準をクリアしたセントラルキッチンなどで一括して調理・加工され、施設にはチルドや冷凍の状態で届けられる食材のこと。
施設側では湯煎やスチームコンベクションオーブンでの再加熱と、簡単な盛り付けだけで提供できます。
「でも、調理済み食材って、かえって割高なんじゃないの?」そう思われるかもしれません。
しかし、食費を「材料費」だけでなく「トータルコスト」で捉えると、景色は一変します。
調理済み食材がコスト削減の切り札となる5つの理由を、具体的に見ていきましょう。
理由1:食材原価の「安定化」と「見える化」
市場価格が日々変動する生鮮食品を仕入れる場合、月々の食材費は不安定になりがちです。
しかし、調理済み食材メーカーは、全国から大量の食材を一括で仕入れるため、市場価格の変動の影響を受けにくく、年間を通じて比較的安定した価格で食材を提供できます。
さらに、1食あたり、1品あたりの原価が明確なため、予算管理や将来の経営計画が非常に立てやすくなります。
これまでどんぶり勘定になりがちだった食費を「見える化」できることは、経営上の大きなメリットです。
理由2:人件費という“最大の固定費”を劇的に削減
厨房運営におけるコストで、食材費と並んで大きな割合を占めるのが「人件費」です。
調理済み食材は、この人件費を大幅に削減するポテンシャルを秘めています。
調理時間の圧倒的な短縮
野菜の洗浄・カット、肉や魚の下処理、長時間の煮込みといった、最も時間のかかる工程がすべて不要になります。
労働時間の削減
調理時間が短くなることで、調理スタッフの労働時間を最適化できます。
残業の常態化を防ぎ、パートスタッフのシフトを効率化することで、人件費を直接的に削減します。
例えば、総労働時間18時間の厨房で、理済み食材の導入により1日の総調理労働時間を6時間短縮できた場合…
1200円×6時間×30日稼働=216,000円/月
年間で250万円以上の人件費削減に繋がる計算です。
さらに、調理工程がシンプルになるため、高度な調理スキルが不要になります。これにより、採用の幅が広がり、人材確保が容易になるという副次的な効果も期待できます。
理由3:見過ごせない!「水道光熱費」の確実な削減
日々の運営では見えにくいですが、水道光熱費も確実に経営を圧迫しています。
調理済み食材は、この「隠れコスト」の削減にも貢献します。
水道代の削減
食材の下処理、特に野菜の洗浄には大量の水を使います。この工程がなくなるだけで、水道代は大きく変わります。
ガス・電気代の削減
長時間コトコト煮込む、大きな鍋で大量のお湯を沸かす、といったガスや電気を大量に消費する工程が、湯煎やスチコンでの短時間の再加熱に置き換わります。
これにより、厨房全体のエネルギー消費量を大幅に抑制できます。
理由4:「食材ロス」の撲滅で無駄をゼロに
手作り調理では、どうしても避けられないのが「食材ロス」です。
調理くず(歩留まり)
野菜の皮や芯、ヘタなど、こうした部分は購入しても廃棄することになり、実質的なコスト増に繋がり廃棄にも費用が発生します。
調理済み食材なら、可食部100%なのでこのロスがありません。
廃棄ロス
急な欠食や食数の見込み違いで、余った食材や作った料理を廃棄した経験はありませんか?
調理済み食材は必要な分だけを使える上、冷凍・冷蔵で保存がきくため、こうした廃棄ロスを限りなくゼロに近づけられます。
食材の在庫管理も非常にシンプルになり、発注業務にかかる時間や手間も削減できます。
理由5:設備投資・維持費の抑制
大規模な厨房設備は、導入時のコストはもちろん、日々のメンテナンスや数年ごとの更新にも多額の費用がかかります。
調理済み食材をメインに活用する場合、大型の回転釜やフライヤー、野菜のスライサーといった大掛かりな調理器具が不要になるケースがあります。
これから新規開設を考えている施設や、厨房の改修を検討している施設にとっては、初期投資を大幅に抑えられるという大きなメリットがあります。
コストだけじゃない!調理済み食材がもたらす質の高い経営改善効果
調理済み食材の導入は、単なるコストカットに留まりません。施設の経営全体に、質の高いプラスの効果をもたらします。
食事の品質向上と安定化
プロの料理人や管理栄養士が開発したメニューは、栄養バランスはもちろん、高齢者の嗜好に合わせた味付けや見た目にもこだわっています。
「誰が作っても、いつでも美味しい」という品質の安定は、入居者様の満足度を確実に高め、「食事が美味しい施設」という最高の評判に繋がります。
厨房業務の標準化とHACCP管理の簡素化
調理工程がシンプルで標準化されるため、スタッフのスキルに依存しない「属人化からの脱却」が可能です。
これは、食中毒予防のためのHACCP管理の簡素化にも直結し、記録業務の負担を減らしながら、より高いレベルの安全性を確保できます。
おすすめ記事:【人手不足解消】老人ホームのHACCP管理を調理済み食材で簡素化!安全と効率を両立する秘訣
人手不足・採用難への対応
調理の負担が減ることで、スタッフの身体的・精神的ストレスが軽減され、離職率の低下、定着率の向上が期待できます。
調理スキルを問わずに募集できるため、深刻化する介護業界の人材不足・採用難に対する有効な一手となります。
災害時の事業継続計画(BCP)の強化
冷凍で長期保存が可能な調理済み食材は、そのまま強力な非常食となります。
地震や台風などの災害でライフラインが寸断されても、カセットコンロなどがあれば、入居者様に温かく栄養のある食事を提供できます。
この安心感は、入居者様やご家族からの信頼を大きく高めるでしょう。
導入への不安を解消!よくある3つの疑問と解決策
ここまでメリットを解説してきましたが、導入にはまだ不安や疑問があるかと思います。
代表的な3つの疑問にお答えします。
Q1. 1食あたりの単価が、手作りの材料費より高いのでは?
食材そのものの単価だけを見れば、そう感じるかもしれません。
しかし、本記事で解説した通り、人件費・水道光熱費・食材ロス・設備維持費といった、これまで見えにくかったコストの削減分を合算した「トータルコスト」で比較することが極めて重要です。
専門メーカーに依頼すれば、貴施設の状況に合わせたコスト削減シミュレーションを提示してくれます。まずは相談してみることをお勧めします。
Q2. 手作り感がなくなり、入居者の満足度が下がらないか心配
こちらの質問が一番の心配となるはずです。
解決策は2つあります。1つは、「部分的導入(ハイブリッド運用)」です。
例えば、ご飯と汁物は施設で手作りし、温かみや家庭の香りを残しつつ、手間のかかる主菜・副菜に調理済み食材を活用する方法です。
もう1つは、「ひと手間」の工夫。季節の野菜を茹でて彩りとして添えたり、美しい器に丁寧に盛り付けたりするだけで、食事の印象は大きく変わります。
何よりも、複数社の試食を通じて、施設の皆様が「これなら自信を持って提供できる」と納得できる美味しいメーカーを選ぶことが大前提です。
Q3. 刻み食やミキサー食、アレルギーなど、細かい個別対応は可能?
可能です。
むしろ、個別対応こそ調理済み食材が得意とするところです。
高齢者施設向けに特化したメーカーは、普通食から刻み食、極刻み食、ミキサー食、といった嚥下調整食、さらには減塩食やエネルギー調整食といった治療食まで、非常に幅広いラインナップを用意しています。
自施設で手作りするよりも、衛生的で物性も安定した食事を、安全かつ効率的に提供できます。
まとめ:コスト削減の先にある、持続可能な施設運営のために
終わりの見えない食材価格高騰の波は、介護施設の経営基盤を静かに、しかし確実に蝕んでいます。
従来の延長線上にある努力だけでは、この大きなうねりを乗り越えることは困難です。
調理済み食材の戦略的な活用は、
- 食材原価の安定化
- 人件費、水道光熱費、食材ロスの削減
これらを同時に実現し、食費という聖域にメスを入れることなく、経営の健全化を図るための極めて有効な一手です。
それは単なるコストカット術ではありません。
コスト削減によって生まれた経営的な余力や、厨房スタッフの時間的・精神的なゆとりは、人材育成、労働環境の改善、そして何よりも入居者様へのより質の高いケアサービスへと再投資することができます。
調理済み食材は、厳しい時代を乗り越え、施設の持続的な成長と入居者満足度の向上を両立させるための「未来への経営改善ツール」なのです。
まずは、貴施設の食費に関するコスト構造を一度見直し、調理済み食材メーカーに相談や見積もり、そして試食を依頼してみてはいかがでしょうか。
その一歩が、施設の未来を切り拓く、大きな転換点になるかもしれません。
出雲みらいフーズでは、調理済み食材を用いた画期的な厨房改革をご提案します。
まずは、お気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください。